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ナムジャイブログ

2014年01月20日

雑魚寝バス旅が待っていた

【2013年11月04日号から、通常のブログはしばらく休載。『裏国境を越えて東南アジア大周遊編』を連載します】
【前号まで】
 裏国境を越えてアジアを大周遊。スタートはバンコク。タイのスリンからカンボジアに入国し、シュムリアップ、プノンペンを経てホーチミンシティ。そしてバンメトート。そこからハノイをめざした。
     ※       ※
 ベトナム中部のバンメトートからハノイをめざした。そこで南北に長いベトナムの規模を実感することになる。
 バンメトートは鉄道とは無縁の街だから、北上するにはバスしかなかった。路線も限られてくる。北上するには、ダナンに出るバス便がいちばん多かった。問題はその先への接続だった。しかしいくらバンメトートの人に訊いても、「その先はわからない」という答が返ってくるだけだった。
 理由はベトナムの長距離バスのシステムだった。バスを数台もっている規模の会社が乱立している状態で、その会社のことしかわからないのだ。バスターミナルには、ずらりと窓口が並んでいるが、それは行き先別ではなく、会社ごとにブースをもっているだけのことだった。タイもその傾向がある。しだいに乗り継ぎの情報もつかめるようになってきてはいるが。
 先のことはわからなかったが、とにかくダナンまで出るしかなかった。
 マイリンという会社の夜行バスに乗った。ホーチミンシティなどではタクシー会社として知られている。切符を買ったとき、ベッドの指定はあったのだが、車掌に案内されたのは、最後部の上段だった。5人分のスペースが横につながっている。
「外国人へのお・も・て・な・し? これ以上乗客がやってこなかったら、すごく快適なんだけど……」
 同行するカメラマンと顔を見合わせた。
 ベトナムの長距離バスの多くは寝台バスだった。通路が2本あり、ベッドが3列、2段で並んでいる。背は150度ぐらいまで倒れる設計である。足は前席の背の下に突っ込む体勢になる。これが問題だった。バスがブレーキをかけると、自然に体が前方にずれ、足の先がぶつかって目が覚めてしまうのだ。
 しかし最後部の2階ベッドは、前の席との間にスペースがある。足を思い切って伸ばすことができた。5人分のところにふたりなのだから、左右にも余裕がある。
 快適な2時間がすぎた。乗客全員での夕食を食べてバスに戻ると、そこに若い男が3人座っていた。5人用スペースが満席になったわけで、文句もいえない。しかし最後部の座席は通路分のところにもベッドがつながっている。つまり5人で雑魚寝状態になってしまうのだった。
 ベトナムはそう甘くない。
 朝方にダナンのバスターミナルに着いた。あまり眠れなかった。睡眠不足になる夜行バスは数え切れないほど体験しているが、バス内雑魚寝ははじめてだった。
 59歳の体にはこたえる。(以下次号)

(写真やルートはこちら)
この旅の写真やルート地図は、以下をクリック。
http://www.asahi.com/and_M/clickdeep_list.html
「裏国境を越えて東南アジア大周遊」を。こちらは2週間に1度の更新です。



Posted by 下川裕治 at 12:41│Comments(0)
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