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ナムジャイブログ

2015年06月01日

アメリカと中国か

 街から日本語が消えていく──。そんな思いに駆られるチェンマイだった。それははじめての感覚ではない。
 今年に入り、何回か滞在したソウルがそうだった。おそらく今年、韓国を訪ねる中国人は700万人を超えるといわれている。その多くはソウルに集まってくる。700万人という数は尋常ではない。やってくる外国人が1000万人を超えた、といった話が、日本では盛んに語られているが、韓国は中国一国で700万人なのである。
 以前、ソウルの明洞には、日本語が溢れていた。しかし日本人観光客の数を中国人が凌駕してしまったいま、当然のように日本語案内が中国語に切り替わっていく。レストランの店頭に置かれたメニューは、まず中国語。そこをめくると日本語が顔をのぞかせたりする。店に貼られる手書きの宣伝も中国語に染まっている。
 チェンマイもそうだった。旅行会社の前に立つトレッキングの幟は、英語と中国語。もう日本語は印刷されていない。屋台の掲げられたメニューは、タイ語と中国語だ。
 街では中国人をよく見かける。若い中国人の間では、バイクを借りることが人気のようだった。しかし中国人の運転は荒いから、タイ人の間では、こんな言葉が囁かれる。
「信号が青に変わっても、すぐに発進させると危ない。中国人は信号を無視してバイクを走らせるから」
 いま、世界のあらゆる国の共通した話題は中国人観光客である。その多くが悪口だ。世界に旅行に出かける中国人は、行く先々で中国人のイメージを悪くしてしまっている。それは日本やタイも同じなのだが、年間700万人の韓国や、中心部の人口が20万人ほどのチェンマイでは話が違ってくる。
 それは相対的な数の問題なのだろう。
 チェンマイの観光業界は生きていかなくてはならない。いくらマナーが悪くても、中国人は金を落としてくれる。表面では笑顔をつくらなくてはいけない。だからよけいに、裏での悪口に熱が入る。人間とはそういうものだろう。
 チェンマイから引きあげる日本人は多い。仕事ではなく、年金を頼りにするロングステイ組には、円安は痛い。暮らすことが難しくなってきているのだ。
 それに比べ、ドル高を背景にしたアメリカ人のロングステイ組が増えている。なんでも1万人を超えたのだという。
 つまりはアメリカと中国か──。
 チェンマイの路上で、ふたつの大国の存在感をまざまざと見せつけられてしまうのである。



Posted by 下川裕治 at 08:47│Comments(1)
この記事へのコメント
中国、スゴイ勢いですね。
日本にいても感じることはできます。
私は観光地のツーリストマップを部屋中に貼るのが好きです。
新旧の地図で違いがあって街の成長を感じるのも楽しみのひとつなのです。
昨年チェンマイに行った時も英語版と中国版は沢山あったのですが、日本版はすくないです。やっとみつけた日本語の地図は、地図と言うより日本人向けの無料新聞の1ページのものです。
日本人は派手にお金を使わなくなってしまったから仕方ないのですね。
中国語、英語ばかりになって行くのは寂しいです。
上質な紙でなくてもカラーでなくても良いです。
わら半紙でいいので日本語の地図がほしいです。
そう言えば今どきわら半紙は聞かないですね。
Posted by たぬきまるだいすけ at 2015年06月04日 17:31
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