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ナムジャイブログ

2015年12月14日

オカマの話はスルメのよう?

 高校生の前で講演をした。事前にテーマの打ち合わせがあり、僕が話すことができる内容のなかから、彼らが選んだのは、オカマとイスラムだった。こういうことに最近の高校生は興味があるらしい。
 オカマという言葉は曖昧で、日本のテレビでよく見る「オネエタレント」は、オカマかゲイか……というところから、混乱する。僕の目から見ると、マツコ・デラックスやミッツ・マングローブはゲイといっていい気がするのだが、高校生たちにとってはオカマらしい。オカマという言葉の市民権は強い。
 学校での講演だから、タレント話に終始するわけにもいかない。レズビアンやゲイの総称に使われるLGBTに沿って話をする。タイというゲイやレズビアンに寛容な社会も例に使った。学生たちは、こんな反応を示す。
「自分の本当の性を隠して生きていくのはよくないと思う。自由に生きるべき」
 しかしそこからが難しい。宗教や社会慣習がかかわってくる。
 キリスト教とイスラム教は、同性愛に対して否定的な見解を示した時期もあった。しかしキリスト教は、その後、認容に流れてきている。イスラム圏の人たちはまだ抵抗感があるようだ。同性愛について、なにも触れていないのが仏教である。
 この問題を人口という視点で見てみる。
 世界の人口のなかで、最も多いのはキリスト教徒である。次いでイスラム教徒だが人口増加率を見ると、イスラム圏の人口増加が急だ。このままいくと、2070年には、キリスト教徒とイスラム教徒の人口はほぼ同数になる。2100年には、イスラム教徒のほうが多くなるという。
 イスラム教徒の人口が増えている要因はさまざまだ。医療の進化もある。「子供は神様の贈り物」という教理のなかでは中絶は許されない。異教徒と結婚するとき、異教徒側がイスラム教に改宗しなくてはいけないことも人口の増加に結びつく。
 対してキリスト教圏は先進国が多く、人口の減少に悩んでいる。子供の数が減ってきているのだ。性のゆらぎも一因といわれる。ゲイやレズビアンは、子孫を残すことはできないのだ。
 やや強引にその面を結びつければ、性の自由は人口の減少を招くという公式が成りたってくる。
 講演を終え、ひとりで悩んでしまった。自由とはなんなのか。人口が増えることは必要なことなのか。講演を取材にきていた新聞社の記者からこういわれた。
「スルメのようなテーマですね。噛めば噛むほど味がでる。そこを進めていくと、リベラルな発想にもなり、保守にも傾いていく」
 オカマの話は、自由と発展ということを論じる入口なのだろうか。



Posted by 下川裕治 at 16:56│Comments(2)
この記事へのコメント
私の友人にも同性愛者が何人かいます。
戸籍を変更して入籍した人も。
少子化に影響が…と言われますが、異性と結婚していても子供を作らない、できない夫婦なんていくらでもいますし、それと何が違うのでしょうか。
私自身子供がおらず夫婦2人住まいなので、余計に疑問を感じ、また愛し合う2人なら応援したいと思ってしまうのです。
性別など関係なく、共に人生を過ごしたいと思える相手が見付かる、それだけで充分なのではないでしょうか。
Posted by たぬきまるようこ at 2015年12月16日 22:02
先日までペナンにいました。
列車で帰ろうと線路沿いを歩いていると旨そうな屋台が有りました。
働いている皆女性達はアバヤやヒジャブをまとっていました。

ハジャイではよく見かけたのですがその数はここ数年増えてきて北上しているかのように思います。

本音は怖いイスラム教
第一の恐怖はラマダン。
食べる旅をしている僕には今のところ影響はないのだけれど
このまま人口が増加すると食べられる場所、ビールが飲めるところが次々と無くなってしまうのではないかという恐怖が有ります。
第二の恐怖はハラール
豚肉、牛肉が食べられない。
ハラールフードの制限も困ります。カオカムーが食べられなくなるのは嫌です。

イスラム教の爆発的増加は避けられないのならば・・・
せめて食べることに影響ない
そして同性愛にも優しい
戒律の優しいイスラム教になってほしいモノです。
Posted by たぬきまるだいすけ at 2015年12月23日 12:31
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