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ナムジャイブログ

2009年11月18日

タイ滞在1ヶ月のトランジットビザ

 ソウル経由で上海を往復した。乗り継ぎ時間にソウル市内に出た。そこで用事をすませ、空港に戻った。これもトランジット。なんだか得した気分になる。
 トランジットという用語は奥が深い。いや曖昧というべきか。
 飛行機に乗り、ひとつの空港に到着し、その国に入国せずに乗り換えるときがある。通常、それをトランジットという。待合室をトランジットルームと呼ぶ。
 しかしこれは一般的なトランジットであって、応用系がいくつもある。
 乗り継ぎ便が3日後ということもある。そういうときは、市内のホテルに泊まる。パスポートは空港に預けたままになるが、街は自由に歩くことができる。昔、この手でモスクワやワルシャワに滞在したものだ。
 このトランジットは国によってルールが違う。シンガポールや台湾のように24時間以内というところもあれば、日本のように日が変わらなければOKという国もある。
 陸路の旅のトランジットもある。たとえば中国からカザフスタンを通ってロシアのモスクワまで列車に乗る場合だ。ロシアのビザがあれば、カザフスタンはトランジットビザを発給してくれる。その間なら、カザフスタンの街に宿泊してもいい。通常のビザより、はるかに簡単にとれる。
 以前、在日朝鮮人のビザの手伝いをしたことがある。彼は日本生まれで、日本での在留権はあったが、国籍は朝鮮だった。韓国人でもなく、北朝鮮でもない。南北に分裂する前の朝鮮なのだ。彼の父親は、この国籍にこだわっていた。
 彼が東京に暮らすタイ人女性と恋をした。タイ人女性と一緒にタイへ行き、両親に会うことになった。しかしその前に国籍の壁がたちはだかった。彼の父親が固執する朝鮮は外国上の国ではない。彼には国籍がなかったのだ。タイ大使館に相談を持ち込んだ。大使館は悩み、ひとつの結論を出した。それがトランジットビザだった。タイからの帰路、直接日本に帰らず、どこかの違う国に寄ることが条件だった。帰路は香港経由の飛行機になった。香港は飛行機を乗り換えるだけでもいいという。
 タイ大使館は問題を先送りした。そして彼に1ヶ月のトランジットビザを発給した。
 こういうトランジットもある。


Posted by 下川裕治 at 16:48│Comments(1)
この記事へのコメント
トランジットっていろいろな使い方があるんですね。

こういう話、あんまり旅行本とかにのってないんで、興味ありました。

トランジットで世界一周なんて、慌しい旅もありかもしれませんね。
Posted by Yo at 2009年11月21日 12:19
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