2017年01月30日
搭乗拒否の顛末
アメリカのトランプ氏の大統領令が波紋を呼んでいる。シリア、イラク、イラン、イエメン、リビア、ソマリア、スーダンの7ヵ国の人々のアメリカへの入国を90日停止し、難民受け入れを120日間止めることを発表した。その間により厳格なルールをつくるというのだが、就任を印象づけるパフォーマンスにも映る。
どのあたりが落としどころになるのかはわからないが、気になるのは、航空会社が搭乗を拒否したケースが出ていることだ。
この搭乗拒否には悩んでいる。入国審査で拒否されることと、航空会社が搭乗を拒むことは基本的に違っている。
一般的な搭乗拒否の理由は、いくつかある。
入国する国がビザを課しているが、ビザがない。パスポートの残存期間が少ない。その国を出国する航空券をもっていない……などだ。航空券を買うときに注意書きが書いてある。その人が入国拒否に遭ったとき、航空会社の負担で搭乗した国に返さなくてはいけないというルールがあるからだという。
僕が悩むのは、その国を出国する航空券をもっていないことが多いからだ。つまり片道航空券で搭乗するときである。
たとえば日本からタイに向かう。陸路でカンボジアに入国し、プノンペンから飛行機で日本に帰るルートである。タイを出国する航空券はもっていない。日本を出国するとき、航空会社のチェックインカウンターで訊かれる。航空会社によっては、入国拒否に遭ったときは、航空会社に負担はかけない、という書類にサインすることで搭乗が許される。面倒なので、一時はその国を出る1年オープンの航空券を買っていたことがあった。しかし有効期限ぎりぎりで航空会社に出向き、払い戻しを受けなくてはならない。
しかし最近は、自動チェックインの機械を設置している航空会社がある。預ける荷物がなければ、その機械でチェックインができてしまう。機械によっては、片道航空券だけではチェックインができない設定にしているところもあるが。
先日、シンガポールからバンコクへのLCCに乗った。タイを出国する航空券はもっていなかった。預ける荷物もない。
「ひょっとしたらできるかもしれない」
自動チェックイン機で手続きをすると、簡単にチェックインが終わってしまった。これでいいのだろうか、と思ったものだ。
今回の大統領令を受けて、搭乗を拒否した航空会社は、どこで線を引いたのだろうか。政治的な話だから、チェックインカウンターの職員が判断することではない。
イスラム圏に国籍をもつ人は、今後、アメリカ行きの飛行機に乗るとき、どんな心境でチェックインカウンターに並ぶのだろうか。大統領令を待っているのは、矮小な顛末?
■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=インドでいちばん長い列車の旅がはじまります。
○どこへと訊かれて=人々が通りすぎる世界の空港や駅物。
○東南アジア全鉄道走破の旅=苦戦を強いられている東南アジア「完乗」の旅。難関のミャンマーの列車旅が続く。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記
どのあたりが落としどころになるのかはわからないが、気になるのは、航空会社が搭乗を拒否したケースが出ていることだ。
この搭乗拒否には悩んでいる。入国審査で拒否されることと、航空会社が搭乗を拒むことは基本的に違っている。
一般的な搭乗拒否の理由は、いくつかある。
入国する国がビザを課しているが、ビザがない。パスポートの残存期間が少ない。その国を出国する航空券をもっていない……などだ。航空券を買うときに注意書きが書いてある。その人が入国拒否に遭ったとき、航空会社の負担で搭乗した国に返さなくてはいけないというルールがあるからだという。
僕が悩むのは、その国を出国する航空券をもっていないことが多いからだ。つまり片道航空券で搭乗するときである。
たとえば日本からタイに向かう。陸路でカンボジアに入国し、プノンペンから飛行機で日本に帰るルートである。タイを出国する航空券はもっていない。日本を出国するとき、航空会社のチェックインカウンターで訊かれる。航空会社によっては、入国拒否に遭ったときは、航空会社に負担はかけない、という書類にサインすることで搭乗が許される。面倒なので、一時はその国を出る1年オープンの航空券を買っていたことがあった。しかし有効期限ぎりぎりで航空会社に出向き、払い戻しを受けなくてはならない。
しかし最近は、自動チェックインの機械を設置している航空会社がある。預ける荷物がなければ、その機械でチェックインができてしまう。機械によっては、片道航空券だけではチェックインができない設定にしているところもあるが。
先日、シンガポールからバンコクへのLCCに乗った。タイを出国する航空券はもっていなかった。預ける荷物もない。
「ひょっとしたらできるかもしれない」
自動チェックイン機で手続きをすると、簡単にチェックインが終わってしまった。これでいいのだろうか、と思ったものだ。
今回の大統領令を受けて、搭乗を拒否した航空会社は、どこで線を引いたのだろうか。政治的な話だから、チェックインカウンターの職員が判断することではない。
イスラム圏に国籍をもつ人は、今後、アメリカ行きの飛行機に乗るとき、どんな心境でチェックインカウンターに並ぶのだろうか。大統領令を待っているのは、矮小な顛末?
■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=インドでいちばん長い列車の旅がはじまります。
○どこへと訊かれて=人々が通りすぎる世界の空港や駅物。
○東南アジア全鉄道走破の旅=苦戦を強いられている東南アジア「完乗」の旅。難関のミャンマーの列車旅が続く。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記
Posted by 下川裕治 at 13:32│Comments(0)
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