2017年10月02日
列車に家庭用エアコンというアジア
インドネシアのスマトラにいる。この島を走る鉄道に乗るためだ。東南アジアの鉄道を制覇する旅はまだ続いていて、時間をみては、アジアの列車に揺られているわけだ。
昨日、メダンからランタウ・プラパットという街まで列車に乗った。乗り込むと車内はひんやりと涼しい。首元に冷風があたる。
見あげると、そこにシャープの家庭用のエアコンがとりつけられていた。そこから冷気が出ていた。エアコンは1車両に6台とりつけられていた。
以前、ジャワ島の列車でも、このスタイルの冷房を体験した。やはり機種はシャープだった気がする。車内は涼しく、快適だった。
列車の車両に家庭用エアコンをつけてしまう。アジアらしい発想だった。これを思いついたインドネシア人は、いったいどんな人なのだろうか。
アジアの列車の車両を冷房化するには、どれだけの費用がかかるのだろうか。冷房つきの車両をつくるか、購入することになる。その費用を考えれば、家庭用エアコンはかなり安くあがる気がする。
しかし家庭用エアコンには室外機が必要になる。いったどこに……と停車駅で見てみると、車両の下にしっかり室外機があった。ホースは壁を伝っているのだろう。車内にはところどころ、銀色の板で覆われた柱がある。おそらくその裏をホースが通っているのにちがいない。
今年の春まで、ミャンマーの列車に乗りまくっていた。大変な列車旅だった。それはタイの列車と一緒に一冊の本にまとまった。そのなかでも触れているが、ミャンマーには、日本から無償譲渡された旧JR車両などが送られている。車両に、「キハ」などという文字が躍っている。日本を走っていた時代は冷房があったはずだが、ミャンマーでは使っていなかった。いや、壊れてしまったのか。ミャンマーの人たちは、列車に冷房がつくことなど考えていないからなんの問題もなかったが。
先月、カンボジアの列車に乗った。修復が目的で長い間運休していた。やっとプノンペンとシアヌークビルの間を走りはじめた。
その車両にのったが、そこにも家庭用エアコンがとりつけられていた。パナソニックだった。おそらくインドネシアの列車に倣ったのだろう。
これからひとつのブームになっていく気がする。東南アジアの列車は、冷房がないものが少なくない。タイも各駅停車はすべて窓を開け放って走る。暑く、ディーゼルオイルのにおいが体にまとわりつく。冷房もありがたいが、体が汚れないことも助かる。
そんな日も遠くない気がする。
家庭用エアコンの新しい使い道……。アジアの旅に少し心が軽くなる。
■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=世界の長距離列車の旅。アメリカの列車旅を連載中。
○どこへと訊かれて=人々が通りすぎる世界の空港や駅物。
○東南アジア全鉄道走破の旅=苦戦を強いられている東南アジア「完乗」の旅。難関のミャンマーの列車旅。いまは番外編を連載。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記
昨日、メダンからランタウ・プラパットという街まで列車に乗った。乗り込むと車内はひんやりと涼しい。首元に冷風があたる。
見あげると、そこにシャープの家庭用のエアコンがとりつけられていた。そこから冷気が出ていた。エアコンは1車両に6台とりつけられていた。
以前、ジャワ島の列車でも、このスタイルの冷房を体験した。やはり機種はシャープだった気がする。車内は涼しく、快適だった。
列車の車両に家庭用エアコンをつけてしまう。アジアらしい発想だった。これを思いついたインドネシア人は、いったいどんな人なのだろうか。
アジアの列車の車両を冷房化するには、どれだけの費用がかかるのだろうか。冷房つきの車両をつくるか、購入することになる。その費用を考えれば、家庭用エアコンはかなり安くあがる気がする。
しかし家庭用エアコンには室外機が必要になる。いったどこに……と停車駅で見てみると、車両の下にしっかり室外機があった。ホースは壁を伝っているのだろう。車内にはところどころ、銀色の板で覆われた柱がある。おそらくその裏をホースが通っているのにちがいない。
今年の春まで、ミャンマーの列車に乗りまくっていた。大変な列車旅だった。それはタイの列車と一緒に一冊の本にまとまった。そのなかでも触れているが、ミャンマーには、日本から無償譲渡された旧JR車両などが送られている。車両に、「キハ」などという文字が躍っている。日本を走っていた時代は冷房があったはずだが、ミャンマーでは使っていなかった。いや、壊れてしまったのか。ミャンマーの人たちは、列車に冷房がつくことなど考えていないからなんの問題もなかったが。
先月、カンボジアの列車に乗った。修復が目的で長い間運休していた。やっとプノンペンとシアヌークビルの間を走りはじめた。
その車両にのったが、そこにも家庭用エアコンがとりつけられていた。パナソニックだった。おそらくインドネシアの列車に倣ったのだろう。
これからひとつのブームになっていく気がする。東南アジアの列車は、冷房がないものが少なくない。タイも各駅停車はすべて窓を開け放って走る。暑く、ディーゼルオイルのにおいが体にまとわりつく。冷房もありがたいが、体が汚れないことも助かる。
そんな日も遠くない気がする。
家庭用エアコンの新しい使い道……。アジアの旅に少し心が軽くなる。
■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=世界の長距離列車の旅。アメリカの列車旅を連載中。
○どこへと訊かれて=人々が通りすぎる世界の空港や駅物。
○東南アジア全鉄道走破の旅=苦戦を強いられている東南アジア「完乗」の旅。難関のミャンマーの列車旅。いまは番外編を連載。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記
Posted by 下川裕治 at 14:16│Comments(1)
この記事へのコメント
パッケージエアコン凄いです。
車両につけるなんて・・・
一見やっつけ仕事のようですけど
賢い方法な気がします。
コスパもよさそう。
日本人も見習うところがありそうな気がします。
車両につけるなんて・・・
一見やっつけ仕事のようですけど
賢い方法な気がします。
コスパもよさそう。
日本人も見習うところがありそうな気がします。
Posted by たぬきまるだいすけ at 2017年10月03日 09:43
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