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ナムジャイブログ

2017年10月09日

トイレのハンドシャワーの謎

 インドネシアのスマトラ島で列車に乗り続け、今朝、帰国した。スマトラは3回目だった。はじめて訪ねたのは30年も前で、メダンからスマトラ南端まで陸路で移動しジャワ島へ渡った。つらいバス旅だった。2日目はメダンのみ。今回はスマトラを縦断し、メダンの北にも行った。10日の滞在になった。
 スマトラでひとつの料理に出合った。ブブルである。インドネシア風粥なのだが、スマトラで口にしたそれは、僕好みの味だった。
 ブブルはブブルアヤムが一般的だ。鶏ガラスープを使う。スマトラのブブルも鶏ガラスープなのだが、酸味がある。その味が新鮮だった。
 スマトラ南部の、タンジュン・カランのホテルに泊まった。簡単な朝食がついていた。そこにもブブルがあったが、いままで口にしたブブルと違う。柔らかく炊いた米の上にスープをかけるスタイルだった。そのスープが深緑色なのだ。ひと口食べてみる。酸味が効いている。なにかのハーブの風味が鼻孔に届いた。これもブブル? ひょっとしたら違うのかもしれない。しかし粥だ。インドネシアのお粥は奥深い。
 インドネシア料理といえば、ナシゴレンというチャーハンや、ミーゴレンという焼きそばが知られている。しかしその味は、どこか中華のにおいがする。インドネシア料理と中華の融合料理ではないか。それに比べると、ブブルは独自の世界がうかがえる。
 もうひとつ、スマトラで気になったことがある。トイレのハンドシャワーの水圧が弱いのだ。
 ハンドシャワーというのは、東南アジアのトイレにはどこにもあるお尻の洗浄器具だ。大便をした後、このノズルから噴出する水で肛門を洗う。タイではサーイチットチャムラとか、ファックブアラーンコンというらしいのだが、一般的な呼び方ではない。
 この水圧はトイレによっても違うが、国によっても差がある。いちばん強いのはカンボジアではないかと思う。すごい勢いで水が噴出する。洗浄どころか、肛門の皮膚がめくれてしまうのではないか……と不安になるほどだ。
 それに比べると、スマトラのそれは弱かった。ジャカルタのトイレのハンドシャワーも弱かったから、インドネシアに共通することなのかもしれない。ハンドルを押しても、水はちょろちょろといった感じで、これで本当にきれいになるのだろうか……と首を傾げてしまった。
 ひょっとしたら、水で洗い流すという発想ではなく、水を肛門付近にあてて、指で洗うことを想定しているのかもしれなかった。
 インドネシアは、なにかが違う。ジャカルタから帰る飛行機のなかで悩んでしまった。

■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=世界の長距離列車の旅。アメリカの列車旅を連載中。
○どこへと訊かれて=人々が通りすぎる世界の空港や駅物。
○東南アジア全鉄道走破の旅=苦戦を強いられている東南アジア「完乗」の旅。難関のミャンマーの列車旅。いまは番外編を連載。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記


Posted by 下川裕治 at 16:48│Comments(0)
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