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ナムジャイブログ

2018年03月12日

空港で呟くこと

 いまタイのスワンナプーム空港にいる。チェンマイに行こうと思いたち、電車でやってきた。航空券は買っていなかった。
 タイのLCCは世界でいちばん使いやすいと思う。バンコクーチェンマイ、バンコクーウドンターニーなど就航便が多い路線では、事前にネットで予約する必要がない。空港に行き、航空会社の発券ブースに出向けば、その場で航空券が手に入る。便数が多いので満席になることはなく、直前だからといって運賃があがるわけではない。JRの切符を買うような気楽さがある。これまでも何回か、空港LCCの航空券を買ってきた。バンコクのドンムアン空港か地方の空港だったが。
 僕はLCCの搭乗記の連載を書いている。なるべく違うLCCに乗ろうと思う。今回はタイ・ベトジェットエアに乗るつもりだった。ベトナムのLCCであるベトジェットエアがタイに子会社をつくり、タイの国内線を飛んでいる。調べると、スワンナプーム空港が拠点だった。
 いつものように空港で航空券を買えばいいと思っていた。しかし空港で探しても発券ブースがみつからない。空港の案内所で訊いてみた。
「タイ・ベトジェットエアの発券オフィスはないんです。ときどき訊かれるんですけど。インターネットだけです」
 案内所にやってきたのは、LCCにしばしば乗るタイ人に違いなかった。ドンムアン空港では、空港のブースで買っていたのだろう。スワンナプーム空港やタイ・ベトジェットエアは勝手が違う。
 空港のベンチに腰かけ、インターネットをつないで航空券を買った。乗るつもりだった1時間後の便は、すでに画面から消えていた。3時間後の便になった。
 事前にネットで航空券や宿を予約することは性に合わない。今日どの街に着くかわからないような旅ばかりしてきたからだ。
 先日、台湾の高雄にいた。そのときは、何人かのメンバーが集まることになっていたため、彼らが宿をとった。住所や行き方を教えられていたが、宿の近くまできて迷ってしまった。そんなとき、いつも思う。予約をすると面倒だな……と。だからタイのLCCは気に入っていたのだ。
 この話は、著作のなかでも書いている。もちろん、僕が少数派であることはわかっている。ほとんどの人が、飛行機やホテルを予約して旅に出る。ホテルサイトを開くと「あと3室」などといった表示に焦る。そんなストレスなしに旅が続けられたらとは思うのだ。
 目の前をさまざまな国籍の人たちが足早に歩いている。チェックインカウンターに急いで向かう。いつから、旅はこんなにストレスフルなものになってしまったのだろう。
 スワンナプーム空港で呟いている。

■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=カンボジアの旅。アンコールワット、そして船旅。
○どこへと訊かれて=人々が通りすぎる世界の空港や駅物。
○東南アジア全鉄道走破の旅=苦戦を強いられている東南アジア「完乗」の旅。インドネシアの列車旅の連載中。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記


Posted by 下川裕治 at 16:09│Comments(1)
この記事へのコメント
事前に予約すると迷子になったり
そもそも地図が間違っていたり
と色々面倒くさいですね。

ネット予約も何度か利用していますが
うまく使い分けすると便利です。

最終日、飛行機の便が決まっている場合は
いつもの宿をネット予約します。
Posted by たぬきまるだいすけ at 2018年03月14日 15:54
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