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ナムジャイブログ

2019年01月14日

僕の新年は飛行機から?

 冬の東京が好きだ。日本の冬が好きという意味ではない。寒さが心地いいということでもない。
 冬の東京は晴天になる日が多い。朝の7時半頃、朝日が差し込んでくる。冷え冷えとした部屋が、急に色を帯び、しだいに暖かくなっていく。明るい日射しのなかで、窓の外を見る。裸になった木々も、その光を浴びている。
 年末から部屋にこもって原稿を書き続けている。本の締め切りが重なり、もう逃げ場がないほど追い詰められているのだが、朝日に当たると心が和んでくる。
 昨夜は4時ぐらいまで、原稿と格闘を続けていた。3時間ほどしか寝ていないというのに、決して強くはない冬の日射しがしっくりと馴染んでくる。
 冬の東京は空気が澄んでいる気がする。それは寒さのなかでの錯覚なのかもしれないのだが、なにか清冽なにおいがする。
 今日の夕方、電車に乗って帰宅した。ホームから夕焼けを眺めていた。西に連なる山々がくっきりと見える。小さいが富士山のピークがシルエットのように浮かびあがる。
 明日からタイに行く。飛行機に乗らなくてはならない。また旅の日々が戻っていくる。年末からこもった部屋から、その日々を疎ましげに眺める。空港をせかせかと歩き、チェックインをすませ、イミグレーションに向かう。必ずといっていいほど、忘れ物を思い出す。もう家に戻る時間はないから、その算段を考える。そんな日々が戻ってくる。
 5時間も飛行機に乗れば、バンコクである。タイの空気は優しいが、冬の東京のような控えめなところがない。そのなかをまた歩かなくてはならない。
 海外への旅を生業にしてしまったから、飛行機に乗る機会は多い。このところ、やけに忙しく、海外に出向く回数が増えた。ときに飛行機ばかり乗っているような気分になることがある。休暇で海外に向かう旅とは違うから、気分は軽くない。
 しかしその旅をまとめるために、部屋にこもらなくてはならない。それを繰り返しているだけだ。
 そんな心境のなかで眺める、冬の日射しを気に入っている。夏のような激しさはない。しかし確実に部屋を暖めてくれる。以前は猫が窓辺に座って外を眺めていた。しかしその猫も、癌を患い、じっとうずくまっているだけだ。もう冬の弱い日射しもつらくなってきてしまったのだろうか。
 僕にとっての新年は、年初に飛行機に乗るときなのかもしれない。また1年がはじまるわけだ。このブログも今年、どんな内容で埋まっていくのだろうか。
 今年の旅がはじまる。

■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=再び「12万円で世界を歩く」のシリーズがはじまります。
○どこへと訊かれて=人々が通りすぎる世界の空港や駅物。
○東南アジア全鉄道走破の旅=苦戦を強いられている東南アジア「完乗」の旅。いまは番外編を連載中。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記


Posted by 下川裕治 at 13:22│Comments(0)
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