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ナムジャイブログ

2010年03月03日

タイ化したゴキブリ?

 最近、バンコクで泊まっている宿はゴキブリで有名らしい。
 長く使っていたソイ・アーリーのホテルが閉鎖になった。その宿から紹介されたサパンクワイのホテルである。欧米人や日本人はめったに見かけないタイ人向けホテルだ。
 地方の人々がバンコクに出張したときに使うことが多いらしい。先日、チェンマイの知人にホテルの名前を告げると、
「ああ、あそこね」
 という言葉が返ってきた。そしてこういったのだった。
「あそこ、ゴキブリが多くない?」
 気づいていた。しかしそのゴキブリというのが、小さなチャバネ系で、床や洗面所の堂々と姿を現し、途中でうずくまったりする。いとも簡単に叩くことができるのだ。知人も同じ体験を共有していた。
「大人になる前に皆、殺されちゃうから、人間を警戒する遺伝子ができないんじゃない?」
 親が卵を産むわけだからそんなことはないと思うが、このホテルのゴキブリは、なんとも甘いのである。
 タイには大きなクロゴキブリ系もいる。ときどき夜の歩道でみかける。以前、タイ人の家に下宿をさせてもらったことがあった。夜中、目を覚ますと、アリに食われてじくじくとする踝にクロゴキブリがへばりついていて、慌てて手で払ったことがあった。あのときほど、タイのゴキブリを不快に思ったことはなかった。
 彼らは部屋の隅や物陰をに身を隠し、「ささささ」と移動する。路上で見るゴキブリといい、タイのクロゴキブリからは、たくましさや狡猾さすら感じていた。
 しかしこのホテルのゴキブリは、じつにトロい。こんなことで、厳しい社会を生き延びていけるのか不安になるほど、おっとりしている。
 ひょっとしたら、タイのチャバネ系のゴキブリの性格なのかもしれない。すごい多産系で、人間が殺す数を上まわる卵を産んで生き延びている気もする。そうでなければ、とっくの昔に、タイから姿を消してしまっている気がするのだ。
 日本でもチャバネゴキブリは、平気で人前にでてくることがある。
 かつて新聞社に勤めていたときもそうだった。そのビルは相当に古く、ゴキブリの巣窟のようだった。当時はパソコンもなく、原稿用紙に記事を書いていた。深夜、会社のデスクで、原稿用紙に向かっていると、その上を茶色のチャバネゴキブリが、平気な顔で横切ることがあった。
 タイのホテルで見かかるゴキブリよりかなり大型だった。はじめは驚いたが、何回となくその経験を積むと、追い払うのも面倒になってくる。原稿書きに疲れてくると、「もうどうにでもなれ」といった心境だった。
 しかし日本のチャバネゴキブリは、バンコクのホテルのゴキブリよりはすばしっこい。原稿用紙やデスクの上を、かなりの速さで動く。やはり警戒心があるような気がする。タイのホテルのゴキブリのように、途中で停まったりはしないのだ。
 床の上でぴたりと停まるゴキブリを靴やサンダルで叩いた後、なにか悪いことをしたような気にもなる。
 そこにはタイ人とのつきあいを重ね合わせてしまっている僕がいる。



Posted by 下川裕治 at 15:35│Comments(3)
この記事へのコメント
北海道と長野県は、ゴキブリがいないと聞いたことがあります。そんなことはないとは思いますが、信州出身の知人は、ゴキブリを見たことがないそうです。ほかの地域に比べ少ないのは確かのようです。ちょっとうらやましいですね。
Posted by マジンガー at 2010年03月03日 16:51
確かに、大企業に勤める人達は、隙のない人間が多いですね。そんな気がします。東京の飛び込み事故の多さには唖然としますね。どこか病んでいる社会なんですかね。タイの方が生活は質的に上であると以前新聞で読んだことがあります。どうなんでしょうか?
Posted by ジジィ at 2010年03月05日 06:56
はじめまして、こんにちは。エカマイのコンビニのレジで会計をしていると、レジの隙間からトロい動きのゴキブリが出現。ここにゴキブリがいるよとレジの女性(20位)に伝えたところその女性、おはじきをはじくように、人差し指でゴキブリをパシっとはじき、僕の顔を見てニヤッと笑って終わりでした。
Posted by さわやかサワデー at 2010年05月10日 17:25
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