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ナムジャイブログ

2019年10月07日

“旅情報ノート”クラブといういいわけ

 このブログは、週1回の配信を原則にしている。日曜日に書くことが多い。ところが先週、すっぽりと穴をあけてしまった。バングラデシュのコックスバザールにいた。ネットやパソコンの不調といった物理的な理由ではない。単純に忘れてしまったのだ。
 気づいたのはバンコクに戻る飛行機に乗るときだった。木曜日の晩である。
 バングラデシュにいたのは、僕が運営にかかわっている現地の小学校修復の下準備をすることだった。クラウドファンディングで寄付をいただいたお金の一部を持参した神経を使う学校での会議が続いた。そのため? などと考えてみる。年齢を考えて不安にもなった。いちばんは休日の違いかとも思う。イスラム教を国教にするバングラデシュの学校は、金曜日と土曜日が休み。日曜日はただの平日……。
 いいわけに過ぎないか。
 バンコクでは、ひとつの打ち合わせがあった。僕は『歩くバンコク』というガイドブックの製作にかかわっている。掲載するバンコク情報の質が、この種の本の価値を決める。そこで“旅情報ノート”クラブをつくることになった。
 旅情報ノート……。ネット時代に入る前、タイを旅した世代には懐かしい響きがあるはずだ。安宿の共有スペースには、1冊のノートが置かれていることが多かった。そこには宿に泊まった人たちが、自分たちが得た情報を書き綴られていた。日本人が多い宿では、その種のノートを“旅の情報ノート”と呼んでいた。
 内容はさまざまだった。安くていい味の食堂情報もあれば、路線バスの乗り方指南もあった。なかには旅に出た心境を数ページにわたって書き込む旅人もいた。
 すべて手書きだった。宿にこのノートがあればさまざまな情報が手に入った。Wi-Fiを拾い、ネットにつなぐ心境だろうか。
 ネットと旅の情報ノートはなにが違う。突き詰めると、日本でも手にすることができるかできないか……のような気がする。見る人の心理はかなり違う。現地の空気やにおいのなかではじめて目にする情報──。
 このクラブでは、バンコクを中心にするエリアへ、僕と一緒に向かうマイナーなツアーも企画している。
「バンコクに行かないと参加できないんでしょ。日程が合わないかもしれないし。どれだけの人が会員になるの?」
 耳に痛い批判を浴びながらも、ツアーをはじめようと思う。その発想には、旅の情報ノートにあふれていた旅があるような気がするのだ。現地の空気のなかではじめて手にする情報のように。僕がバングラデシュでブログを書くことを忘れてしまったように。
 やはりいいわけか。

 “旅情報ノート”クラブ詳細
  http://www.arukubkk.com/

■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=台湾の超秘湯の旅を連載中。
○旅をせんとやうまれけむ=つい立ち止まってしまうアジアのいまを。
○東南アジア全鉄道走破の旅=苦戦を強いられている東南アジア「完乗」の旅。いまも続いています。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記
■ツイッターは@Shimokawa_Yuji


Posted by 下川裕治 at 15:24│Comments(0)
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