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ナムジャイブログ

2020年08月24日

コロナ禍の面妖

 バングラデシュへの送金期間が、コロナ禍に入ってから急に長くなった。
 新型コロナウイルスの感染拡大で、運営にかかわる学校が強制休校。先生たちの給料が半減。クラウドファンディングを再びはじめた。
https://a-port.asahi.com/projects/sazanpen_teacher/
 この話は前号で書いた。その前に先生たちの窮状をなんとかしようと、わずかだが、内部で集めた寄付を送った。それから1ヵ月半たった。まだお金が届かない。手数料の安いゆうちょ銀行のネットバンキングを使っている。現地の銀行に届いてはいるのだが。この話を知人に伝えると、「コロナ禍に乗じて現地の銀行がなにかしてるね」といわれた。
 タイのバンコクでは、8月16日に1万人規模の反政府デモが起きた。そして19日、軍事政権は、ウイルス感染を防ぐための非常事態宣言を9月末まで延長することを発表した。反対勢力を抑え込むことが目的では……と噂されている。非常事態宣言下では、感染を防ぐ目的で集会をとり締まることができる。
 運営するYouTubeチャンネルで、バンコクのソイ・ナナの夜の動画を流した。街は怖いほど暗い。廃業した店も多いという。外国人向けの歓楽街は、観光客の入国を停められると生きてはいけない。ここでもコロナ禍に乗じた政権の思惑が見え隠れする。
「屋台を禁止したことと同じ発想ですよ。コロナ禍を巧みに使ってね」
 そんな感想が多く寄せられている。
 コロナ禍に乗じた策動が深刻だ。香港に国家安全法を導入した中国はその典型だろう。昨年の香港の争乱を機に国家安全法の導入を考えたのだろうが、中国はそのタイミングを計りかねていた気がする。導入すれば、香港人だけでなく、多くの諸外国から非難の声が挙がることはわかっていたからだ。それほどに、この法律は、中国にとっては都合がいいものだった。
 そこに新型コロナウイルスの感染拡大である。中国はまたとないチャンスと読んだのだろう。西側諸国の多くは、ウイルス対策に翻弄されていた。香港に注ぐエネルギーや関心が弱くなる。各国の中国に反対する組織が香港に向かうことは難しい。台湾の学生が香港に行くこともできない。
 一気に国家安全法の導入を進めたのは理由はコロナ禍である。
 日本の大臣の海外での会議出席も不穏だ。随行する役人も含め、帰国時に2週間の隔離の必要はない。帰国時に空港でPCR検査を受けるというが。それよりも問題視されているのは、記者が同行できないことだ。記者の目がない海外での交渉ほど楽なものはない。これも新型コロナウイルス対策だという。
 ポストコロナの新しい生活スタイルなどというが、実は……とも思えてくる。世界はかくも面妖なものなのか。

■YouTubeチャンネルをつくりました。「下川裕治のアジアチャンネル」。
https://www.youtube.com/channel/UCgFhlkMPLhuTJHjpgudQphg?view_as=public
観てみてください。面白そうだったらチャンネル登録を。
■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=沖縄の離島のバス旅がはじまります。
○旅をせんとやうまれけむ=つい立ち止まってしまうアジアのいまを。
○アジアは今日も薄曇り=沖縄の離島のバス旅シリーズがはじまります。
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■ツイッターは@Shimokawa_Yuji


Posted by 下川裕治 at 11:58│Comments(0)
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