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ナムジャイブログ

2020年10月12日

感染症危険度レベルへの疑問符

 10月中旬から下旬にかけ、ヨーロッパに行くつもりだった。ギリシャ、スペイン、ブルガリア、ポーランド……。ヨーロッパのいくつかの国が、新型コロナウイルスに絡んだ入国制限を求めていない。日本から自由に行くことができる。ただ日本帰国時に、2週間の自宅隔離が強いられる。
 そっと行くことは可能だ。しかし僕の場合は、原稿に書くという目的がある。ブログやユーチューブで公表することにもなるかもしれない。出版社も興味をもっている。
 そこで引っかかってくるのは、政府が発表する海外安全情報だ。新型コロナウイルスの感染がはじまってから、この安全情報がふたつになった。ひとつは従来の治安上の問題を考慮した安全情報。そして感染症危険レベルだ。そしてこの安全レベルは、どちらも同じ表現で示される。
 それはレベル1からレベル4まである。
レベル1:十分注意してください
レベル2:不要不急の渡航は止めてくださいレベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)
 といった具合だ。
 通常の海外安全情報と新型コロナウイルスの感染危険度を同じ土俵で語ることに無理があると思っていた。
 たとえばタイ。感染症危険レベルは3である。新しい感染者はゼロが続いているが、いまだ渡航中止勧告なのだ。レベル3の場合、企業は社員の渡航をとり止める。ところがいま、タイでの2週間の隔離があるが、企業は駐在員を派遣する。政府の安全基準を無視しているわけだ。
 そもそも世界の国々は、日本より感染者が少ない国がかなりある。それらの国も軒並みレベル3である。日本にいるより罹りにくいのだ。政府が発表する感染症危険レベルにはいくつもの疑問符がついてしまう。
 ヨーロッパのいくつかの国々が、入国規制を撤廃しているのに、日本からは相変わらず渡航中止勧告が続いているのも、やはり納得がいかない。
 新型コロナウイルスへの対応には世界基準がない。それだけ混乱しているといってもいいのかもしれないが。
「もういってもいいのではないか」
 そこでヨーロッパ行きの飛行機の予約を入れようとしたとき、日本政府が、アジアを中心に10ヵ国以上の国の、感染症危険レベルをレベル3からレベル2に引きさげた。
「もう少し待ちませんか。しだいに世界の危険レベルがさがっていくかもしれません。そのほうがうちも気が楽です」
 ある出版社からの連絡だった。
 さて、どうしようか。
 ヨーロッパ行きは少し先にのばすことにした。はたして年内に、僕は海外に出かけることができるのだろうか。

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Posted by 下川裕治 at 11:50│Comments(0)
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