2021年01月18日
痩せてしまったのだけれど……
コロナ禍のなかで痩せた。昨年春の緊急事態宣言あたりから体重が減りはじめ、6キロ減。コロナ太りが話題になっているというのに。
不整脈という持病があるため、2ヵ月に1度の割合で通院している。採血をし、血液の凝固度などを診る。医師は10年来、僕の体をチェックしてくれている。
「海外に出ていないからでしょうかね」
医師が首を傾げる。
「でも、これからも体重が減っていったら、検査対象ですよ。年齢的に癌の心配がありますから」
66歳。この年齢になると、体重が減ったからといって胸を張れるわけではないらしい。
痩せた原因も大方わかっている。食事だろうと思う。コロナ禍で家にいることが多い。我が家は妻と娘という構成だから、どうしても太ることを気にする女性向けのメニューに傾いていってしまう。
体重が減ることはちょっとうれしい。体が軽くなった感覚がわかるからだ。気をよくして、駅での乗り換えを小走りで移動したり、階段を早くあがったり……。そういうことも体重を減らしている一因かもしれない。
しかし体力が落ちてきた気がする。夜、締め切りの原稿を前に、眠気に襲われる。髪の毛がのびるスピードも、なんとなく遅くなったような……。体が発散するエネルギー量が減っている感覚。老化なのか、痩せたからなのかがはっきりしない。
感染症に対して、やや太っている人のほうが強いという疫学的なデータがある。感染症に対する一般的な話なのだが、新型コロナウイルスは例外というわけではないはずだ。
90歳代の人のなかに異常なほどに元気な人がいる。そんな人に肉好きが多いという。週に2回ぐらいはステーキを平らげるという話を聞いたこともある。彼らの体型は、たしかにぽっちゃりと太っている。
昔から、ステーキをペロリと食べるようなタイプではなかった。どちらかといえば、淡白なものが好きだ。豆腐、ミョウガ……僕の好物を知ればわかってくれると思う。エネルギーがみなぎるような雰囲気をもっていないと自分でも思う。
透析などの負担を減らしたい意向があるのだろうが、世界の国々は肥満への警鐘を鳴らしている。しかし年齢にもよるが、痩せることはあまりいいことではないのでは……。そんなことも思ってもいる。そういえば、ダイエット鬱という症状もあるという。痩せていくときに、気分が落ち込んでいくのだ。
緊急事態宣言のなかにある東京は暗い。人々のテンションも高くない。そのなかで、行政側の言葉が虚しく響く。しかし人々の表情は晴れない。もう誰も新型コロナウイルスに打ち勝てるなどとは思っていないのではないか。ポストコロナの未来像も絵空ごとに映ってくる。
これを打開する方法? やはり海外に旅に出ること? コロナ禍の堂々巡りにまた辿り着いてしまう。
■YouTubeチャンネルをつくりました。「下川裕治のアジアチャンネル」。
https://www.youtube.com/channel/UCgFhlkMPLhuTJHjpgudQphg?view_as=public
観てみてください。面白そうだったらチャンネル登録を。
■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=芭蕉の「奥の細道」を辿る旅を連載中。
○旅をせんとやうまれけむ=つい立ち止まってしまうアジアのいまを。
○アジアは今日も薄曇り=沖縄の離島のバス旅シリーズを連載中。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記
■ツイッターは@Shimokawa_Yuji
不整脈という持病があるため、2ヵ月に1度の割合で通院している。採血をし、血液の凝固度などを診る。医師は10年来、僕の体をチェックしてくれている。
「海外に出ていないからでしょうかね」
医師が首を傾げる。
「でも、これからも体重が減っていったら、検査対象ですよ。年齢的に癌の心配がありますから」
66歳。この年齢になると、体重が減ったからといって胸を張れるわけではないらしい。
痩せた原因も大方わかっている。食事だろうと思う。コロナ禍で家にいることが多い。我が家は妻と娘という構成だから、どうしても太ることを気にする女性向けのメニューに傾いていってしまう。
体重が減ることはちょっとうれしい。体が軽くなった感覚がわかるからだ。気をよくして、駅での乗り換えを小走りで移動したり、階段を早くあがったり……。そういうことも体重を減らしている一因かもしれない。
しかし体力が落ちてきた気がする。夜、締め切りの原稿を前に、眠気に襲われる。髪の毛がのびるスピードも、なんとなく遅くなったような……。体が発散するエネルギー量が減っている感覚。老化なのか、痩せたからなのかがはっきりしない。
感染症に対して、やや太っている人のほうが強いという疫学的なデータがある。感染症に対する一般的な話なのだが、新型コロナウイルスは例外というわけではないはずだ。
90歳代の人のなかに異常なほどに元気な人がいる。そんな人に肉好きが多いという。週に2回ぐらいはステーキを平らげるという話を聞いたこともある。彼らの体型は、たしかにぽっちゃりと太っている。
昔から、ステーキをペロリと食べるようなタイプではなかった。どちらかといえば、淡白なものが好きだ。豆腐、ミョウガ……僕の好物を知ればわかってくれると思う。エネルギーがみなぎるような雰囲気をもっていないと自分でも思う。
透析などの負担を減らしたい意向があるのだろうが、世界の国々は肥満への警鐘を鳴らしている。しかし年齢にもよるが、痩せることはあまりいいことではないのでは……。そんなことも思ってもいる。そういえば、ダイエット鬱という症状もあるという。痩せていくときに、気分が落ち込んでいくのだ。
緊急事態宣言のなかにある東京は暗い。人々のテンションも高くない。そのなかで、行政側の言葉が虚しく響く。しかし人々の表情は晴れない。もう誰も新型コロナウイルスに打ち勝てるなどとは思っていないのではないか。ポストコロナの未来像も絵空ごとに映ってくる。
これを打開する方法? やはり海外に旅に出ること? コロナ禍の堂々巡りにまた辿り着いてしまう。
■YouTubeチャンネルをつくりました。「下川裕治のアジアチャンネル」。
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○クリックディープ旅=芭蕉の「奥の細道」を辿る旅を連載中。
○旅をせんとやうまれけむ=つい立ち止まってしまうアジアのいまを。
○アジアは今日も薄曇り=沖縄の離島のバス旅シリーズを連載中。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記
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Posted by 下川裕治 at 12:45│Comments(0)
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