インバウンドでタイ人を集客! 事例多数で万全の用意 [PR]
ナムジャイブログ

2021年04月12日

コロナ禍のトークイベント

 海外への旅が難しくなって1年以上がすぎた。先週のこのブログで伝えたが、2月から3月にかけ、タイのバンコクに出かけた。しかしそれが旅か……と訊かれると、僕自身、首を傾げてしまう。パスポートにはスタンプが捺されたが、その日々の大半はホテルの部屋に隔離されていた。本来なら列車やバスに揺られていたはずだが。
 そんな状態に陥ってしまったが、ありがたいことに、僕の本はペースこそ遅いものの出版される。今月に入り、「5万4千円でアジア大横断」(朝日文庫)が書店に並んだ。
 なぜ僕の本は出版されるのかといえば、旅のガイドの要素が薄いからだ。旅の読み物だから、旅に出ることが難しくても、旅の気分を味わうために買ってくれる。そう出版社は読んでいる。
 しかし話はそう簡単ではない。
 僕の本が出ると、西荻窪のある「のまど」という書店でトークイベントが開かれる。今回も4月23日に開催される。
http://www.nomad-books.co.jp/event/event.htm
 来週なのだが、いまから悩んでいる。なにを話したらいいのかわからないのだ。この種のイベントは、旅のときの裏話や、実際に行く人へのアドバイスといったことが中心になることが多いのだが、集まってくれる人は、海外に旅に出ることができないのだ。なにかテンションが違う。
 この本にもコラムが設けられている。それは実際の旅のアドバイスなどだ。トークイベントはそれが膨らんだ内容になると思えばいい。しかしそれを膨らませることが……。
 実は前回もそうだった。そのときは、「旅の本の読み方」のような話をしたが、さて、今回はどうしたものか。
 人前で話すことは苦手だ。多くの人がそうだと思う。新聞記者をしていたとき、選挙などで政治家に貼り着くことがある。脇で彼らを見ていると、人前で話すことが好きな人たちなんだ、と自分との溝を感じたことがよくあった。
 それでもなんとか場をこなしてきたが、それは話す内容があったからで、今回のような場合は、いまから考え込んでしまっている。
 去年の暮れまで、芭蕉の「奥の細道」を手に日本国内を歩いていた。
──月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人也。
 こんな名文ではじまる1冊だが、コロナ禍のいまから俯瞰してみると、それなりの手続きはあったものの、旅ができた時代の文章に思えてくる。海外はもちろん、日本では県をまたぐ移動にも規制がかかり、月日は百代の過客という余裕がない。
 はてさて……。次回のトークイベントはどんな話をしたらいいものか。


■コロナ禍でも旅に出たい。そんなオンラインサロンをはじめます。詳細は以下。
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01v8b3bubhj11.html
■YouTube「下川裕治のアジアチャンネル」。
https://www.youtube.com/channel/UCgFhlkMPLhuTJHjpgudQphg?view_as=public
面白そうだったらチャンネル登録を。
■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=旅先で食べた料理の再現シリーズを連載中。
○旅をせんとやうまれけむ=つい立ち止まってしまうアジアのいまを。
○アジアは今日も薄曇り=沖縄の離島のバス旅シリーズを連載中。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記
■ツイッターは@Shimokawa_Yuji



Posted by 下川裕治 at 11:49│Comments(1)
この記事へのコメント
本かいました。でこぼこコンビが笑えます。10年前ってなつかしいですね。
Posted by にっし at 2021年04月16日 00:44
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。