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ナムジャイブログ

2021年05月24日

欧米の力強さとアジアの繊細さ

 また悩ましい日々がはじまることになるのだろうか。
 スペイン政府が、「新型コロナウイルスのワクチンを接種した全渡航者を受け入れる」と発表した。6月7日からだという。つまりワクチンさえ打っていれば、自由にスペインに行くことができる。
 各国の観光業界、航空業界などは、新型コロナウイルスの感染が広がるなかで疲弊していった。解決策はワクチンしかない。今後、ヨーロッパの国々は、この流れに乗っていくだろう。とくに観光産業への依存度が高い国ほどワクチンになびいていく。
 このワクチン接種に、ロシア製や中国製も含まれているかはわからないが。
 日本で接種が進むのは、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカだから、ワクチンの種類としては問題はない。日本政府が海外で通用するワクチンパスポートを発行するかは明確にわかっていない。
 僕は66歳だから高齢者である。日本では優先的にワクチンを打つことができる。1回目は3日後。6月末には2回目の接種が終わるだろう。
 はたしてそこでスペインに行くことができるかどうか。
 そこで登場してくるのが、感染症危険情報と同調圧力という日本の空気である。
 感染症危険情報はこのブログでは何回か紹介している。世界に共通したものではなく、日本が独自に決めたもので、レベル1からレベル4まである。コロナ禍になる前は危険情報というものだけがあった。それはその国やエリアの治安情況などをやはりレベル1からレベル4までで表していた。
 いつも問題になるのはレベル2の「不要不急の渡航は止めてください」だった。レベル2になると、旅行会社はツアーを組めないという不文律があった。
 そのレベル1からレベル4をそっくり感染症危険情報にあてはめている。
 でスペインを見る。レベル3の「渡航は止めてください(渡航中止勧告)」である。だいたい世界の国はそのほとんどがレベル3に分類されている。
 感染症危険情報は、その国の感染状況によってレベルの変動はあるかが、そう簡単には変わらない。スペインがワクチン接種者の渡航を受け入れる6月初旬、おそらく感染症危険情報はレベル3の公算が強い。
 そこで悩むわけだ。旅というものは、どちらの国のルーツに従うべきかと。通常期なら訪ねる国に従う。ビザ、滞在日数……。しかしいまはコロナ禍なのだ。海外から日本にウイルスをもち込む可能性を否定できない。仮に日本より日々の感染者が少ない国を訪ねたとしても、日本人の感情は変わらない。
 感染症というものに対する温度差が欧米とアジアの間にはある。欧米のそれからは、多少の犠牲を払ってもがしがしと前に進もうとする力強さが伝わる。それに比べるとアジアは繊細だ。
 さて、どうしようか……。
 

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Posted by 下川裕治 at 12:41│Comments(0)
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