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ナムジャイブログ

2010年06月07日

羽田発着便には無縁の男

 東京の羽田空港の国際便枠の話をよく聞かれる。台北、上海やハワイ、アメリカ本土への便が、羽田発着便として登場するのだという。LCCが乗り入れる計画もあるのだという。
「便利になりますよね」
 そう聞かれていつも答に困る。
 そんな人の出鼻をくじくようで申し訳ないが、羽田空港がそう近いとは思わない。僕は東京の阿佐ヶ谷に住んでいる。国内線に乗るときは、チェックインがはじまる1時間前に出る。阿佐ヶ谷駅に出、新宿で乗り換え、品川か浜松町で羽田空港行きに乗り……というルートを考えると、そのくらいの時間になってしまう。
 成田空港に行くときは2時間前に家を出る。その差は30分──。飛行機に乗るためには、搭乗手続きやセキュリティチェックと面倒なことが多い。そこで30分の差はたいしたことではないのだ。
 以前、台北の松山空港から金門島に飛行機で行ったことがあった。朝早い便だった。同行した台湾人がこういった。
「空港まで歩きましょう。朝、早いから、バスを待っている間に着いちゃいますから」
 本当にそうだった。近い空港とは、こういう空港のことをいうのではないか。
 羽田空港発の国際線は、すでに韓国線が就航している。羽田空港とソウルの金浦空港を結んでいる。もうだいぶ前から運航しているが、その便に1度も乗ったことがない。理由は単純だ。高いのだ。なんでも時間がないビジネスマン向けということで、成田空港と仁川空港を結ぶ路線より1万円以上も差があった気がする。30分の差で1万円……。僕は空港まで30分よけいにかかっても、1万円安い航空券を選ぶタイプである。
 僕は月に1回はバンコクに出向いている。その途中で、台北、上海、ソウル、香港、ホーチミンシティなどに寄ることが多い。どの街にも用事があるのだ。ひょっとしたら、俗にいうビジネスマンより忙しく飛びまわっているのかもしれないが、東京で利用するのは成田空港だけである。経費ではないときも多いし、仮に経費だとしても、僕は安いほうを選ぶだろう。そういう男なのである。
 羽田空港に就航する便も、きっとそういうことになるのだ。台北、上海、アメリカ……。経費で落とせるビジネスマンを狙い、成田発着より1万円から2万円は高くなるのに違いない。
 結局、羽田空港の国際線が充実していっても、僕には無縁なことはいまからわかっている。そういう男に向かって、
「便利になりますね」
 といわれても、なんだか「いやみ」にしか聞こえないのだ。いや、僕の「ひがみ」なのか。
「どうせ僕には無縁のことだから」
 やっぱり「ひがみ」か……。
(2010/6/6)


Posted by 下川裕治 at 14:52│Comments(1)
この記事へのコメント
でも空港までの交通費、往復で考えれば羽田と成田で4、5000円は羽田のほうが安くないですか?
Posted by Yukarin at 2010年06月07日 18:00
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