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ナムジャイブログ

2022年04月18日

沖縄の人は沖縄そばを食べなくなった?

 NHKの朝ドラ『ちむどんどん』がスタートしている。昨年の末ぐらいから、僕の周りでは、このドラマに便乗するかのような企画話がいくつももちあがっていた。きっちりした形で実現したものはまだひとつもないが。
 周囲の思いは、かつての朝ドラ『ちゅらさん』の再来だった。沖縄での『ちゅらさん』人気はかなりのものだった。放映がつづいていたとき、石垣島の農家のオバァを訪ねようと電話を入れた。昼には畑から帰ってくるから、という話だった。12時半の約束をして電話を切ると、すぐ電話がかかってきた。
「『ちゅらさん』を毎日観るから、1時すぎでお願いします」
 それほど人気だった。
『ちゅらさん』ブームは、やがて沖縄ブームにつながっていく。だから『ちむどんどん』に期待するわけだ。
 ドラマははじまったばかりで再びブームになるかはわからないが、沖縄の知人はこんなこともいう。
「復帰50年のイベントなどに埋もれちゃっている気がします」
 そう、『ちむどんどん』は復帰50年に絡んでいる。その50年をどう描くかというほど直接的ではないが、テーマは沖縄料理。沖縄の変容をを料理を通して語ろうとしているのかもしれない。
 バタバタしていてじっくり観てはいないのだが、ゆし豆腐やチャンプルーなど、沖縄の料理が次々に登場している。しかし沖縄からはこんな声も聞こえてくる。
「いまの沖縄の若者は、ゆし豆腐を知らない人が多いんじゃないかな。だいたい沖縄そばよりラーメンやうどん派ですからね。ゆし豆腐はなにかっていう番組をつくらなくちゃいけないかもしれないね」
 これはいまの沖縄でよく聞く話だった。
 たとえば沖縄の県民食とまでいわれた沖縄そば。食べるのに苦労するようになってしまった。国際通りや空港では観光客向けに沖縄そばの店はあるが、郊外のイオンなどのフードフロアーに行くと、沖縄そばの店がなかったりする。あるのは本土のラーメンやうどんのチェーン店だけ。食べようにもその機会がない。テナント料が高く、地元の店がテナントを出すのが難しいのだという。そうこうしているうちに、「沖縄そばよりラーメンがしっくりくるさー」といった若者が増えていってしまう。
 これは全国的な傾向でもある。テレビではご当地グルメなどと紹介される料理も、実際に食べるのに苦労する現実がある。沖縄はその傾向が顕著だと思う。ゆし豆腐は沖縄そばよりもっと遠い。沖縄の男たちが泡盛を飲まなくなってきてもいる。
 沖縄の人たちは郷土食への熱が低いのだろうか。その変わり身のようなものに、沖縄があるような気もするが。
 5月から沖縄の旅がはじまる。どんな沖縄が待っているのだろうか。

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Posted by 下川裕治 at 12:50│Comments(0)
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