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ナムジャイブログ

2011年02月21日

粉末エスプレッソ屋台の謎

 最近の僕の悩みは、バンコクのコーヒー屋台である。謎のコーヒー屋台が随所に店を出しきているのだ。
 タイのコーヒー屋台は、かつてカフェーボラーンというコーヒーが主流だった。日本語に訳すと昔風コーヒー。缶に入った粉末のコーヒーで、そこに砂糖やミルクをたっぷりと入れるスタイルだった。店によっては、そこにネスカフェを加えるところもあった。
 そこに本格コーヒー屋台が店を出しはじめた。店頭にコーヒーマシンを置き、豆を挽いて淹れてくれた。タイ語ではカフェーソット、つまりフレッシュコーヒーである。
 僕は毎日、屋台でこのコーヒーを買っていた。ブラックなら15バーツだった。
 ところが最近、このフレッシュコーヒーの粉末を置く店が出てきたのだ。
 これはいったいなんだろうか。
 この種の屋台には、フレッシュコーヒーのほか、エスプレッソやカプチーノなどもある。それぞれ粉末が別の容器に入っている。それをお湯で溶き、ミルクやコンデンスミルク、砂糖を入れて売ってくれる。もちろんブラックもある。これはコーヒーの粉末をお湯で溶くだけである。
 昨年、フランスを2回ほど訪ねた。この国は、圧倒的にエスプレッソ文化圏になりつつある。店のメニューは、まずエスプレッソからはじめる。そして日本でいうブレンドコーヒーがない店が多い。薄めのコーヒーというと、アメリカンになってしまう。ミルク入りはカフェオレやカプチーノになる。
 フランスのエスプレッソは本来のエスプレッソである。ちゃんとエスプレッソマシンで淹れてくれる。
 ところがバンコクでは、粉末のエスプレッソが登場したのである。それも1杯20バーツほどなのだ。
 この種の屋台の前でいつも悩む。これはいったいなんなのだろうか。さまざまなところで見かけるから、チェーン展開の屋台のように思う。
 いったんエスプレッソを淹れ、それを粉末化して容器に入れているのだろうか。そんな面倒なことを、タイ人がするとも思えない。それだけの手間をかければ、とても1杯20バーツでは採算がとれないとも思う。
 思い余って先日、飲み比べてみた。エスプレッソマシンを置く店でエスプレッソを買い、コーヒー屋台で粉末エスプレッソ淹れてもらう。交互に飲んでみる。
「うーん……」
 エスプレッソマシンで淹れたものの方が風味がある。しかし粉末エスプレッソは苦いだけだ。しかしエスプレッソマシンを置く店は、1杯70バーツもした。
「20バーツと思えばいけるんじゃない」
 こういうことをいうと、欧米人は顔をしかめるんだろうなぁ。


Posted by 下川裕治 at 12:00│Comments(1)
この記事へのコメント
下川裕治氏が世に出てきて以来、私も朝食は氏をまねてパートンコーとコーヒーですましてきた。サパンクヮイの駅へ向かう途中の歩道に店をかまえているおばさんから買っていた。ついでにネイションを買いホテルまで5分の道のりを歩いてくるとコーヒーはすっかり冷めている。いつ頃からか、コーヒーはセブンイレブンのコーヒー牛乳になっていた。コーヒーが飲みたくなったら、エンポリアムのスターバックスまで行っていた。うまいとおもったのは、チャトウチャックマーケットの中にあるアイスコーヒー屋だった。豆から挽いていた。だから屋台や地元の人のコーヒー屋の変遷はしらない。エスプレッソなんて飲むのかと驚きだ。話は変わるが、新聞のネイションて、前からあんなに薄かっただろうか?
Posted by akya at 2011年02月21日 15:50
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