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ナムジャイブログ

2012年01月23日

ビエンチャンのバンコック

 土曜日の飛行機でバンコクからビエンチャンに飛んだ。1泊してルアンパバン。旧正月の元旦はルアンパバンだった。
 ビエンチャンでは知人に連れられて、一軒のジャズバーに入った。それほど大きな店ではなかったが、ビエンチャンの若者で賑わっていた。
 ライブが開かれていた。ギターはアメリカ人、キーボードとドラムはタイ人のミュージシャンだった。3人のユニットは、バンコクで活動しているらしい。
 リーダー格のアメリカ人が英語で話しはじめる。彼の口から、「バンコック」という言葉が何回も聞こえた。日本人が口にする「バンコク」ではなく「バンコック」……。
 そこにはどこか、ジャズの先端を走る街という匂いがあった。キーボードを操るタイ人はなかなかうまかった。ドラムの音にも迫力があった。
 その音に体を揺らすビエンチャンの若者にとっても、バンコクは、どこか凝縮された文化がある街のように映っているようだった。そう、日本人がニューヨークに抱く感覚のように。
 日本人にとって、バンコクはアジアの街である。旅の世界でいえば、ゆったりとしたアジアの風が吹く街かもしれない。
 しかしラオスから眺めると、バンコクは国際的な大都会である。クルングテープでもバンコクでもなく、英語流の「バンコック」なのだろう。
 翌日の飛行機でルアンパバン。ここには中国人の姿が目立った。ルアンパバンにやってくる欧米人の多くが、街の静けさに惹かれてやってくる。プーシーの丘からの夕日。音を吸い込んでいくかのようなメコンの流れ。そして托鉢に歩く若い僧の列……。
 しかし中国人は違った。四輪駆動の高そうな車で、雲南からやってくるのだ。どこかその旅は、アドベンチャードライブに映る。中国の雲南からは立派な道がつくられ、丸1日のドライブでルアンパバンまで辿り着いてしまうのだ。
 ルアンパバンの街に停められた中国ナンバーの高級四輪駆動車は、これみよがしに中国の豊かさを物語っている。
 何回か訪れているが、ルアンパバンはいい街だと思う。世界遺産に指定された街にありがちな、テーマパーク観がそれほど強くないことがいい。街には昔ながらのラオスの暮らしも息づいている。その共存が、うまくいっているようにも思う。
 しかしそのなかで中国人は異質だ。彼らだけ、高度成長を体にまとっている。
 ビエンチャンのバンコック、そしてルアンパバンの中国。
 どちらも複雑なラオスである。


Posted by 下川裕治 at 18:17│Comments(0)
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